終活のはじめの一歩! エンディングノートの書き方を知ろう
定年退職した、同世代の知人が亡くなった、病気になった…人生には、自分の今後の人生や「死」について考えるタイミングが度々やってきますよね。そんなときこそ、終活のはじめどき。突然訪れる「もしも」のときに備えて、エンディングノートに自分の情報や想いをしたためてみませんか?
この記事では、エンディングノートにまつわる基本的な情報から、自分に合ったノートの選び方、エンディングノートを書く際の注意点などを紹介していきます。
終活とは
終活とは、自分の終末期や死後と向き合うことで、今後の人生をより良いものにする活動のことです。終活という言葉だけだと、ただ単に死後に向けて淡々と準備をしている様子を思い浮かべるかもしれませんね。日本では古くから、生きている間に死後の話をすることはタブー視されてきましたから、終活=縁起が悪いこととして、抵抗を感じる人も少なくないでしょう。
しかし、最初に述べた通り、終活の本質は今後の人生をより良くすることにあります。旅の支度をするように、気軽な気持ちではじめてみましょう。今回は、終活の一環として簡単に取り入れられるエンディングノートについてご紹介します。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、その名の通り、自身の終末期や死後についてまとめたノートのことです。手軽に終活をはじめられるアイテムとして注目を集めており、インターネット上でダウンロードできるものから、店頭で購入できるものまでさまざまなタイプが登場しています。
エンディングノートの役割
では、なぜ終活の一環としてエンディングノートがおすすめなのでしょうか。エンディングノートが果たしてくれる役割を大きくふたつご紹介します。
エンディングノートの役割1:今後の人生をより良いものへ
エンディングノートには、終活の意義である「今後の人生をより良いものにする」ためのヒントがたくさん詰まっています。人生の終盤の暮らしを具体的にイメージすることで、そのゴールに向けてどのように生きていけばいいのかを逆算できますよね。漠然と抱えていた老後の不安についても、現在の状況を整理することで課題を明確化でき、「なんとなく不安」という状態が解消されて自身の安心につながります。
エンディングノートの役割2:家族の負担を軽くする
エンディングノートに自身の情報や希望を残すことは、家族の安心にもつながります。たとえば、病気や老いで意思の疎通が難しくなったり、突然そのときが訪れてしまったりしたら、家族はあなた本人に代わって多くの決断を迫られるでしょう。どこまでの治療を望むのか、どのような介護を望むのか、お葬式には誰を呼べばいいのか…重要な決断から小さな決断まで、家族はじっくり考える間もなく対応に追われます。「本人に直接聞けたら楽なのに」と思うこともあるでしょう。そんなとき、あなたに代わって家族に希望を伝えてくれるのがエンディングノートなのです。
エンディングノートを書きはじめるタイミング
終活をはじめるタイミングに決まりがないように、エンディングノートを書きはじめるタイミングにも決まりはありません。「まだまだ元気だから…」と思うのであれば、元気で気力があるうちに取り組んでおくのもおすすめですよ。思い立ったその日からチャレンジしてみましょう。
エンディングノートにはどんなことを書くの?
まずお伝えしておきますが、エンディングノートの内容や書式に決まりはありません。イラストを交えてもいいですし、写真を貼ってもいいでしょう。とはいっても、自由すぎても何を書いたらいいのか迷ってしまいますよね。そんな人には、ガイドに沿って進めるだけで最低限必要な情報が書き出せる市販のエンディングノートがおすすめです。ここでは、多くのエンディングノートで採用されている基本の7つの項目を簡単にご紹介します。
自分について
生年月日や血液型、マイナンバーなどの基本情報をまとめておくことで、誰が見てもあなたの情報が一目でわかります。また、自分史をつくれるタイプのエンディングノートであれば、自分自身の半生を振り返れると同時に、あなたの生きてきた軌跡を家族が辿ることもできます。もしかしたら、孫やその子どもたちへと、家系図のずっと先まであなたの人生が語り継がれるかもしれませんね。
お金について
所有している財産や各種保険についても整理しておきましょう。財産は自分の死後に相続人が引き継ぎます。記録がなければどんな財産があるかを探すことから始める必要があり、残された家族にとっては負担になります。プラスの財産だけではなく、借金やローンなどの負債がある場合は、それについても包み隠さず記しておきましょう。
各種契約について
各種契約についてもまとめておくと便利です。これを機会に、不要な契約を見直してみるのもいいでしょう。デジタル化が進む昨今では、自分の死後にスムーズに解約ができるように登録しているwebサービスの各種IDやパスワードも重要な情報です。
医療・介護について
終末期に自分の要望をきちんと伝えられるとは限りません。病気や認知症などで意思の疎通が難しくなった場合に備えて、延命措置の有無や介護についての希望も書き記しておきましょう。また、もしもの場合に備えて持病やアレルギー、常備薬がある場合にはそれらも併せて記載しておくと安心です。
葬儀・お墓について
葬儀やお墓についての希望がある場合も記しておきましょう。具体的には、葬儀の形式や遺影に使って欲しい写真、納骨の方法や場所などを記しておくと家族が対応に困りません。
友人・知人について
家族も知らない交友関係があるかもしれません。訃報の連絡が漏れなく行き届くよう、自分の友人・知人関係についても名前や連絡先などをリスト化しておくといいでしょう。特に親しい関係の場合は、それぞれに宛てたメッセージを残しておくのもいいかもしれませんね。
ペットについて
ペットがいる場合は、ペットのその後まで責任をもたなければいけません。誰が世話を引き継ぐのかに加えて、ペットのかかりつけの病院や好き嫌いなども記入しておきましょう。
終活の頼れる相棒・エンディングノートの選び方とおすすめ商品
エンディングノートの種類はさまざまです。大手出版社からも続々と発売されているため、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。エンディングノートを選ぶ際のポイントは、費用、内容、デザインの3つです。これからの人生を共にする相棒ですから、お気に入りの1冊を選びましょう。
【費用で選ぶなら】まずはお試し。無料ダウンロードできるエンディングノート
- 百人百想・エンディングノート
こちらは無料でダウンロードできるエンディングノートでありながら、必要な情報がしっかりと網羅されています。2部構成になっていて、第1部で自分の人生を振り返り、第2部で家族に伝えたい終末期や死後の希望を書き残せるようになっています。Word版とPDF版が用意されているため、パソコンで自由に編集したい場合にはword版を、印刷して書き込みたい場合にはPDF版をダウンロードしましょう。
【内容で選ぶなら】安心のガイド付き。取り組みやすいエンディングノート
- リベラル社・一番わかりやすい エンディングノート
内容のわかりやすさで選ぶなら、こちらのエンディングノートがおすすめです。終活セミナーに参加した受講者の声をもとに作られているので、ノートの開きやすさや書きやすさといった機能的な面から、迷わず書けるガイド、重要情報を保護するシールまでかゆいところに手が届く仕様になっています。
【デザインで選ぶなら】エンディングノートらしくないエンディングノート
こちらは「星の王子様」のイラストが随所にほどこされたエンディングノートです。終活やエンディングノートに抵抗がある人でも、このエンディングノートなら楽しく取り組めるかもしれませんね。各ページはすっきりとまとめられていて、可愛らしい見た目とは裏腹に内容もコラムも充実しています。
エンディングノートを書く際の心構え
ここでは、エンディングノートを書く際の心構えについてお伝えします。
時間がかかるのは当たり前
エンディングノートは1日で書き上げるようなものではありません。コツコツ進めるもよし、気分が乗ったときにある程度まとめて取り組むのもよしですが、時間がかかるのは当たり前くらいに思って、気長に取り組むといいでしょう。また、エンディングノートは一度書いたらおしまいではなく、自身の状況の変化に応じて定期的な見直しが必要です。
どこから書きはじめてもOK
エンディングノートは、どのページから書きはじめても構いません。最初からひとつひとつ完璧に埋めようとすると、手が止まったときに挫折の原因になることも。まずはぱらぱらとページを捲ってみて、書きやすそうな項目からトライしてみましょう。
エンディングノートの注意点
エンディングノートを書く際は、以下の2点に注意しましょう。
保管場所に注意
エンディングノートには大切な個人情報が満載です。悪用されないよう、人目につきやすい場所での保管は避けましょう。とはいえ、いざというときに家族が見つけられない場所にあっては意味がないので、家族には保管場所を伝えておくのがおすすめです。
遺言書との違いに注意
エンディングノートには、遺言書と違って法的な拘束力がありません。相続や遺言執行者などについて指定がある場合は、エンディングノートとは別に遺言書を作成する必要があるのでくれぐれも注意しましょう。
まとめ
エンディングノートは、手軽でありながら今後の人生をより良いものへと導いてくれる終活アイテムです。また、自分自身のためだけではなく、残された家族の負担を軽くしてくれるものでもあります。内容は多くのエンディングノートで共通していますが、書式や配分などがそれぞれによって異なるため、自分の書きやすそうなものを選ぶのがポイント。ひとりで埋められるか不安な場合には、わかりやすいガイド付きのタイプや、家族と一緒に取り組めるタイプのエンディングノートもおすすめです。