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モラハラ夫と離婚する方法は? 第三者にも協力を仰ごう

 

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近年、メディアで「モラハラ」が扱われることが増えてきましたね。これまで夫との関係に悩んで自分を責めてきたけれど、こういった特集を見て、自分こそが被害者だったと気付いたかたも多いのではないでしょうか。多くのメディアでは、「モラハラ夫とは離れるべき」とこぞって警鐘を鳴らしています。

 

しかし、もしあなたが、「これまでだって必死にモラ夫と向き合ってきてもどうにもできなかったのに、本当に離婚なんてできるの?」という不安を抱えているのであれば、第三者に協力を依頼するのがおすすめです。

 

この記事では、モラハラ夫の特徴や離婚が難航する理由をはじめ、離婚までの具体的な流れとともに第三者に協力を仰ぐメリットを解説します。

 

モラハラとは? 無自覚に妻を追い詰めるモラハラ夫の特徴

モラハラはモラル・ハラスメントの略称で、精神的な暴力や嫌がらせのことを指します。ハラスメントというと学校や職場などで起こるイメージがあるかもしれませんが、モラハラカップルや夫婦間でも起こりえることです。では、具体的にどのような行為がモラハラに当てはまるのかを確認してみましょう。

 

言葉の暴力で妻を支配する

モラハラの最大の特徴は、言葉による暴力と支配です。日常的に「お前は本当にだめなやつ」「俺だからお前の相手が務まる」「みんながお前のことを非常識だと言っている」などと人格否定の言葉を繰り返し、相手の自尊心をどんどん奪って自分の支配下に置くのが彼らの手口。モラハラ被害の怖いところは、被害者が加害者の言葉を信じて自分を責めてしまうところです。こうして、「夫がひどいことを言うのは、私が悪いからだ」という思考を植え付けられていきます。

 

過度に束縛する

モラハラ夫は、過剰なまでに妻を束縛します。妻を自分の支配下に置いて都合のいいようにコントロールするため、巧みに妻の行動を操ることも。妻本人に仕事を辞めさせたり、家族や友人との関係を絶たせたりするよう仕向けることも珍しくありません。

 

些細な理由で徹底的に無視をする

モラハラ夫の無視は、数週間から数か月と長期的に行われるのが特徴です。無視は突然はじまります。妻は何が原因かわからない場合が多く、自分の非を必死に探し、モラハラ夫のご機嫌を取り続ける苦しい日々を送ることになります。

 

モラハラ夫のターゲットは妻であるため、同居しているほかの家族やペットには普通、もしくは普通以上に仲良く接し、妻の孤独感を煽るのも彼らの常套手段。また、そのほかにもため息や乱暴な仕草などの態度で妻の心をかき乱すこともあります。

 

妻のせいにして自分の行為を正当化する

人間同士のまっとうな付き合いであれば、否定的な言葉を投げつけたり、束縛したり、無視をしたりといったことは普通行われませんよね。愛のある夫婦関係であればなおさらです。しかし、モラハラ夫は「お前のためにやってやったんだ」と妻のせいにして自分の非人道的な行為を正当化する傾向があります。

 

モラハラ夫との離婚が難しい理由

一般的に、モラハラ夫との離婚は難航すると言われています。では、なぜモラハラ夫相手に離婚を成立させるのが難しいのでしょうか。考えられる理由を3つご紹介します。

 

当事者同士にモラハラの自覚がない

多くのモラハラ夫は、自分の行為がモラハラであることに気付いていません。また、被害者の妻にも被害者である自覚がないため、そもそも問題意識を持つことが難しいのです。大切なのは、まずあなた自身が「自分は被害者である」と認めることです。

 

当事者の苦しみが伝わりにくく、周囲の理解が得られにくい

多くのモラハラは家庭内で起こるため、周囲に気付かれにくいのが特徴です。肉体的な暴力と違って、目に見える証拠も残りません。さらに、モラハラ夫は相手を選んで巧妙に危害を加えるため、周りからは「いい夫」「いい父親」という印象を持たれていることが少なくないのです。そのため、あなたがいくら周りに被害を訴えても、深刻に受け止めてもらえない可能性があります。

 

モラハラ夫が離婚に応じない可能性が高い

モラハラ夫は、いざ妻から離婚を切り出されると態度を一変させます。普段の高圧的な態度が嘘のようにしおらしくなるため、「元の優しい夫に戻ってくれた」と勘違いしてしまうことも。モラハラ夫は、モラハラをすることであなたに依存しています。依存対象を失うことを恐れて一旦はおとなしくなるかもしれませんが、長くは続かないでしょう。また、外面がいいため、世間体を気にして離婚を避けたがるケースもあります。

 

新しい人生を手に入れよう!モラハラ夫と離婚する3つのステップ

自分がモラハラ被害者だと気付いても、離婚に踏み切るのは容易ではありませんよね。しかし、現代ではひと昔前と違って婚姻件数が減少しているにも関わらず、離婚件数は増えているというデータがあります(図1参照)。

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図1出典:公益財団法人 生命保険文化センター

 

今や、離婚は新しい人生を手に入れるためのポジティブな決断。モラハラ夫の支配から抜け出したいのであれば、自分から新しい人生を掴みに行きましょう。

ここでは、今後の具体的な流れが掴めるよう、離婚までの基本的な流れをまとめました。

 

ステップ1:協議離婚

離婚に至るまでの段階は大きく3つにわかれており、その最初の段階が「協議離婚」です。協議離婚は、両者の話し合いによって離婚を決定する方法です。

 

協議離婚する際の注意点

日本では、9割近くの夫婦が協議離婚で離婚を成立させています。しかし、これはあくまでも、話し合いが可能な夫婦の場合。相手はモラハラ夫ですから、さらなる暴言や不当な要求であなたの決意を挫いてくるかもしれません。同居したまま話し合いを進めるのは危険です。離婚を切り出す前に別居の準備を進めておくなど、モラハラ夫から距離を置いた状態で話し合いをはじめるといいでしょう。

 

話し合いが難しい場合は代理人を立てよう

とはいえ、モラハラ夫と話し合うのは至難の業です。あなたが離婚に向けて必死になればなるほど、嫌がらせのように無理難題をふっかけたり、情に訴えたりして離婚を難航させてくるでしょう。このように当事者同士での話し合いが難しいケースでは、家族や弁護士などの代理人を通して話し合うのがおすすめです。

 

ステップ2:調停離婚

協議離婚で話がまとまらない場合には、「調停離婚」を申し立てる必要があります。調停離婚は調停員が間に入って離婚への話し合いを進める方法で、裁判所の1室で行われます。当事者同士が顔を合わせることはありません。調停での話し合いは1度きりではなく、時間を置いて2~4回程度行われるのが一般的です。

 

次の調停までに1ヵ月ほど期間が空くため、長ければ成立まで半年以上かかるケースもあります。また、話し合いがまとまらない場合は調停不成立となり離婚には至れません。

 

普段から証拠集めをしておこう

調停員が介入する調停離婚では、モラハラの「証拠」を提示する必要があります。たとえば、モラハラ行為が証明できるメールのやり取りや会話の録音データなどです。

 

メールや録音データが残せないというケースでは、モラハラ被害を記した日記にも証拠能力があります。日付や場所、言われたことなどをなるべく細かく記録に残すようにしましょう。

 

調停離婚する際の注意点

残念ながら、調停員はあなたの味方ではありません。あくまで中立な立場のため、当然モラハラ夫の味方でもありませんが、人間である以上、どちらかに傾く恐れはあります。モラハラ夫は外面が良く口が達者なので、調停員の心証を良くしてあなたの状況を不利にするかもしれません。もしくは、話し合いをまとめるために、調停員があなたにとって不利な条件で合意するよう勧めてくる可能性もあります。

 

ステップ3:裁判離婚

調停でも話し合いがまとまらない場合は、裁判離婚に移行するのが一般的です。裁判離婚では、裁判に勝利することで離婚を成立させられます。

 

裁判離婚する際の注意点

実は、裁判によって離婚が認められる理由は民法上で決まっており、離婚原因がモラハラの場合は「婚姻を継続し難い重大な理由があるとき」に該当していると判断される必要があります。第三者が婚姻を継続し難い重大な理由として判断できる十分な証拠があればいいですが、多くの場合、モラハラでそれを立証するのは難しいのが現状です。

 

また、裁判離婚は調停離婚を経る必要があるため、トータルで長い時間がかかります。できれば、協議離婚や調停離婚での早めの決着が望ましいでしょう。

 

モラハラ夫と離婚したいなら、まずは弁護士に相談してみよう

モラハラ夫と離婚を考えているのであれば、まずは弁護士に相談してみましょう。具体的に離婚までは考えていなかったとしても、証拠の集めかたや離婚への持っていきかたなど有益なアドバイスが得られるはずです。また、すでに離婚を決意しているのであれば、早めに弁護士をつけることで早期決着が期待できます。

 

モラハラ夫との離婚で弁護士をおすすめする理由

モラハラ夫との離婚で弁護士をおすすめする理由は、以下の2点です。

 

客観的にアドバイスをくれる

弁護士は事実を客観的に判断してくれます。度重なるモラハラによって洗脳状態に陥っている場合、一度は洗脳から抜け出したとしても、ふとした瞬間に「やっぱり私が悪いのでは?」と心が揺れてしまうことがあるかもしれません。そんなときに、客観的事実に基づいて味方をしてくれる存在はありがたいですよね。身内がその役割を果たしてくれれば心強いですが、身内だからといって全面的にあなたの味方をしてくれるとは限りません。

 

あるいは、あなたに対する気持ちが強いあまり、あなた以上に感情的になってしまう恐れもあります。弁護士であれば、モラハラ夫に不当な要求をされてもはねのけてくれますし、早期決着のために譲歩するポイントもアドバイスしてくれるでしょう。

 

モラハラ夫と極力関わらずに離婚できる

あなたは、モラハラ夫と話し合いをもって離婚するイメージができますか? 多くの場合、被害者と加害者が対等に話し合うのは難しいことです。加害者に対して萎縮したり恐怖を感じたりするのは当然ですし、もうこれ以上関わりたくないと思ってもおかしくありません。そんなとき、弁護士を代理人に立てることで、弁護士があなたの代わりにモラハラ夫との連絡や交渉を行ってくれます。

 

弁護士を選ぶ際の注意点

弁護士を選ぶ際にポイントとなるのは、以下の2点です。

 

実績・得意分野

弁護士にも得意分野があります。また、残念ながらすべての弁護士にモラハラ被害についての知識や理解があるわけではありません。そのため、弁護士を選ぶ際はその弁護士の得意分野や実績に注目してみるといいでしょう。モラハラによる離婚案件が得意分野であり、なおかつ実績もある事務所だと安心ですね。モラハラ夫はある程度共通した傾向を持っているため、モラハラによる離婚案件の担当実績が豊富であれば、さらに有益なサポートが受けられるでしょう。

 

費用

当然ですが、弁護士を雇うにはお金がかかります。しかし、離婚後の生活を考えれば、少しでも蓄えは残しておきたいですよね。そこで、弁護士に支払うトータルの金額に加えて、支払い方法も確認しておきましょう。

 

弁護士に支払う費用としては、相談料・着手金・成功報酬・実費などがあります。協議離婚の際には30万円程度、調停・裁判になるほど高くなります。月々少額の分割払いができるところなど、自分の経済状況に合った方法を選択できる弁護士事務所を選ぶのがおすすめです。

 

まとめ

モラハラ夫と離婚するには、ひとりで戦わず弁護士を雇うのがおすすめです。弁護士によって得意分野が異なるため、モラハラが原因の離婚に実績のある弁護士だとなお安心ですね。費用や支払い方法もさまざまなので、何社か検討したうえで自分の状況に合った弁護士選びをしましょう。